














何かに興味がなくなる。 この変化は生きる喜びが無くなった様な、漠然とした寂しさを感じさせる。そんな私とは対照的に祖母は楽しみが多く、部屋には沢山の物で溢れていて、そんな祖母と接すると飽きることがなく、羨望の的となった。今作は祖母とその身の回りをイメージとして記録する事で、祖母の思考に触れる試みである。 彼女の手によって収集された物には年齢や環境によって変化する当時の思念が存在しており、その思念が重なり合う事で現在の祖母が形成される。 例えば、好んでいた物に触れた際に当時の感情や記憶が呼び起こされる事があると思うが、その感情があったから今の自信が存在しているのだ。このような事から過去に存在した感情は現在進行形で存在していると考える。 何かに興味がなくなるとは、何かに私たちの感情が収められると言うこと。 私たちは物に感情を与えられる唯一の生き様である。